正社員よりも給与面や待遇などで、将来の不安を感じやすいフリーター。
「将来仕事をしていくうえで、正社員として安定して働くにはどうしたらいいのか」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は、フリーターが正社員になる方法や、正社員を目指す方におすすめの業種をご紹介いたします。
目次
フリーターとは?
フリーターとは、1980年代に定職に就くことなく働く若者の事のことを『フリーアルバイター』と名付けたことから、世の中に定着した言葉です。
現在では、内閣府の定義に基づき、学生や主婦を除いた若年者(15~34歳)のうち、パート・アルバイトとして働く人、もしくはパート・アルバイトとして働く意志のある無職の人をフリーターと呼んでいます。
フリーターと正社員との違い
フリーターと正社員には、雇用形態や働き方、給与面などで大きな違いがあります。
まずは大きく3つに分けて違いを説明します。
給与形態
フリーターの場合、雇用形態がアルバイトの場合がほとんどであるため、賃金の支払いは時給制です。
時給制の場合、病欠や休暇を多く取るとその月の給与が減ってしまい、月々の給与にムラが生じてしまいます。
正社員の場合は、月給制のため月々の給与が決まっています。
病欠や休暇を取っても、給与にムラが生じることはほぼありません。
他にも会社によって賞与などの特別手当があり、年間収入が安定しているのが正社員です。
福利厚生
アルバイトと正社員では、受けられる福利厚生も差が出ることがあります。会社によって異なりますが、アルバイトの場合は非正規雇用となるため、会社の福利厚生が充分に受けられないこともあるでしょう。
アルバイトが受けられる福利厚生は、社会保険・雇用保険・労災保険・有給休暇の4つです。
正社員の場合はこれらに加えて、住宅手当・退職金手当・賞与などの福利厚生を受けることができます。
また、会社の定める範囲で育児や産休などの手当て、長期休暇を取ることも可能です。
社会的信頼
フリーターと正社員では、社会的信頼も大きく異なります。
収入と雇用が安定している正社員は社会的信頼が厚いため、ローンやクレジットカードの審査が通りやすいというメリットがあります。
一方フリーターは、雇用形態が安定しておらず給与面でも不安定であると判断されるため、ローンの審査が通りにくいです。
将来的に、家や車など大きな買い物を望んでいる場合は、働き方を考えた方が良いでしょう。
フリーターの身分の不安
フリーターは、もし体を壊してしまって働けなくなると、収入が無くなる不安が付いて回ります。また、「いつまでも定職につかずに、アルバイトを続けている人」という偏見にさらされ、社会的に肩身の狭い思いをする場合があります。
将来的な収入面や社会的安定を求めるならば、フリーターを続けずに正社員になる道を考え、経験やスキルを積んで就職活動を視野に入れることをおすすめします。
フリーターが正社員になる方法
フリーターから正社員になるには、いくつか方法があります。
- 正社員登用制度のあるアルバイトを続ける
- 人手不足の業界を選び正社員になる
- 就職支援サービスを利用する
以下、この3つの方法について説明します。
バイト先で正社員になる
正社員登用制度のある会社でアルバイトとして経験を積み重ねることで、正社員への道が開きやすくなります。
業界的に未経験な場合や正社員になるために経験が必要な職種の場合でも、バイト先で働きながら経験を積むことができます。
バイトでも経験を積めば比較的正社員になりやすく、即戦力としてバイト先で就職できる近道となるでしょう。
人材不足の業界を選ぶ
人手が足りていない以下のような業界は、フリーターでも正社員になりやすい特徴があります。
- IT業界
専門的な技術を必要とするIT業界は、未経験からだと正社員になりにくく就職をしても苦労をするのでは?というイメージがあるかと思います。
しかし、日々移り変わりの激しいIT業界は経験者だけでは必要な人材が集まりにくく、近年では未経験を含めた求人も増えてきています。
今までフリーターとして働いてきて、実績や経験がなくとも本人の努力次第で正社員になれる求人は多数あります。
こつこつと仕事をこなし、成長速度の早い業界でスキルアップを図りたい方におすすめの業界です。
- 介護業界
未経験や無資格でも就職しやすい介護職も、フリーターから正社員になりやすい業種の1つ。
少子高齢化社会の中で、介護職はとても需要があるため人手不足の業種です。
一口に介護職といっても、介護施設や訪問介護などいくつかの働き方を選択することができ、求められるスキルや資格も異なります。
人を助けることが好きな方、コミュニケーション能力が高く観察力が優れている方、手に職をつけたい方におすすめの業界です。
- サービス業界
お客様をおもてなしするサービス業は、人の入れ替わりが激しく、常に人手不足な状態が続いています。
一人あたりの仕事量が多いことや、一般企業の会社員などとは違い休みが不定期であることも要因でしょう。
そのため正社員としての求人も多く、サービス業経験者や人と関わることが好きな方におすすめの業界です。
またアルバイトの経験を活かして正社員へのキャリアアップを目指したい方にも向いています。
就職支援サービスを利用する
「正社員として働きたいけど、今までフリーターを続けていて就職活動をどのようにすれば良いのかわからない…」という人も少なくはないはずです。
自分だけでは就職先を探したり、履歴書や面接準備をすることが大変だという人は、就職支援サービスを利用することで、就活をスムーズ行うことができます。
非大卒に特化した就職支援サービス、ゼロタレントでは、フリーターの就職活動に対するサポートも充実しています。
就職に関して豊富なノウハウをもつ専門スタッフからアドバイスをもらうことが可能です。
自分一人では、なかなか正社員としての一歩を踏み出しにくいという方は、就職支援サービスを利用してみましょう。
フリーターが正社員になるためのポイント
フリーターが正社員になるために押さえておきたいポイントをお伝えします。
年齢が若いうちに正社員を目指す
フリーターでいる期間が長引くほど、正社員として就職することは難しくなります。
職種にもよりますが、正社員になるためには30歳以下の年齢が就職しやすいと言われています。
年齢が上がれば上がるほど、それまでの時間をどう過ごしていたのか問われた時に答えにくくなるため、年齢が若いうちに正社員を目指すことをおすすめします。
正社員としての社会的立場を意識する
一般的に正社員は、アルバイトやパートよりも責任のある立場として見られる傾向にあります。
会社や顧客からも、正社員であることを理由に何かと頼られる場面もあることでしょう。
たとえ現在フリーターであっても、正社員としての社会的立場を意識しながら責任感を持って働くことが大切です。
【参考】大都市の若者の就業行動と意識の展開 – 労働政策研究・研修期間
フリーターの就職でおすすめの職種
今回は、フリーターの就職でおすすめの職種を5つ紹介します。
フリーターから、正社員を目指すうえでどんな職種がいいのか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
営業職
専門知識を必要としている会社を除き、基本的には未経験での採用を多く行っているのが営業職です。
営業職は過去の社会人経験や学歴などを重視していない場合が多いため、フリーターから正社員を目指す人にとってチャレンジしやすい職種と言えるでしょう。
【関連】高卒で営業職に就くには?仕事内容や向いている人の特徴を解説
一般事務職
事務職の中でも、資格が必要となることもある専門的な事務と違い、オフィス内での基本的なデクスワークを行うのが一般事務です。
データ入力や書類作成、電話・来客対応などを行います。
仕事内容が比較的単純で、経験や学歴が重視されないことも多いため、フリーターからでも正社員として就職しやすい職種です。
また業界問わず募集されているため、選択肢が広いこともおすすめな理由と言えます。
介護職
介護職は、就職しやすいことに加え、資格の取得や継続年数が長くなることで給与の増加が見込めるため、おすすめの職種です。
また、前述のとおり求人不足で需要が高く、比較的就職に就きやすい職種でもあるため、人と接するのが好きな方や、今後資格を取得してステップアップを図りたい方におすすめの職種です。
技術職
エンジニアやプログラマーなどの技術職もおすすめです。
例えば、IT業界は近年、急激な成長を遂げていることからエンジニアやプログラマーの求人が増えてきています。
しかし、経験者だけではすべてをまかなうことができないため未経験採用を積極的に行っている業界なのです。
そのため、フリーターから正社員を目指しやすくチャレンジしやすい職種でしょう。
接客・販売職
飲食店や宿泊施設、娯楽施設などでの接客や、アパレルショップでの販売職もおすすめです。
経験が重視される仕事が多く、アルバイトから正社員へのキャリアアップを目指せます。
まとめ
フリーターから正社員になると、給与形態・勤務時間・雇用形態・社会的信用などが変化するため働き方も大きく異なります。
将来的に不安を感じ、焦って就職活動を行うよりは、就職サポートをしてくれる就職エージェントなどの手を借り、自分にあった就職先を探すことをおすすめします。
就職エージェントなどを上手く利用して、上手に正社員への道を切り開きましょう。