中学を卒業してすぐ働く、あるいは高校を中退して働く場合、最終学歴は中卒となります。
一般的に中卒の就活は難しいと言われているため、就職できるか不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、中卒の就活が難しい理由やおすすめの職種、就活を行う際のポイント、就職するために取得しておくと良い資格などを紹介します。
目次
中卒は就職できない?
まずは中卒の就職事情について説明します。
中卒・高卒・大卒の就職率
- 中卒の就職内定率:81.2%
- 高卒の就職内定率:99.4%
- 大卒の就職内定率:97.6%
【参考】平成30年度大学等卒業者の就職状況調査 – 文部科学省
【参考】高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況 – 厚生労働省
上記の結果を見ると、確かに中卒の就職率は、高卒や大卒と比べて低いということがわかります。
中卒は就職が厳しい理由
平成30年の高等学校進学率は98.8%で、中学卒業後に就職する人はわずか0.2%です。
ほとんどの人が進学する中で、中卒は少数派であり、理解を得にくいというのが現状です。
【参考】学校調査,学校通信教育調査(高等学校) – 文部科学省
企業の求人を見ると、高卒や大卒以上の学歴を要件に含む募集が多いことがわかります。
中卒で応募できる求人が少ないというのが、就職が難しい理由のひとつです。
もうひとつの理由は、企業の採用担当者が中卒者にマイナスイメージを持っている場合があるということです。
「勉強が嫌いなのかもしれない」
「努力ができないのかもしれない」
「問題が起きた場合にすぐ諦めてしまうかもしれない」
採用担当者は中卒者にこのような懸念を抱いているということを理解しておきましょう。
中卒でも稼げる仕事って?おすすめの仕事
中卒の就職は難しいということがわかりましたが、職種によって比較的就職しやすいものもあります。
販売スタッフ
アパレルショップなどに勤務する販売スタッフは、学歴不問での募集が多いです。
専門知識はあまり求められず、どれだけ上手に接客ができるかが大切だからです。
たくさんの人と出会える仕事であるため、人と話すのが好きな人に向いています。
自分の好きな店の商品に囲まれて働くことができるということも、販売スタッフの魅力です。
警備
警備の仕事は、主に施設の巡回警備や建設現場の誘導といった内容です。
災害や不審者から施設のお客様を守ったり、混雑している場所で人々を誘導します。
学力より体力やコミュニケーション力が重視される仕事のため、学歴不問の募集が多いです。
様々な現場で勤務でき、多くの人と接することができます。
地域の安全を守る、やりがいと責任のある仕事です。
学歴を問わずに稼げる仕事であるため、さまざまな経歴を持った方と働けます。
営業
営業の仕事は実力主義で、頑張り次第で高卒や大卒以上に稼げる可能性があります。
やる気や素質があれば、中卒でも採用されやすいでしょう。
売り上げを伸ばしてノルマを達成する、バイタリティのある人や負けず嫌いの人におすすめの仕事です。
公務員
安定した職に就きたい方や勉強に苦手意識のない方には、公務員がおすすめです。
中卒でも目指すことができる公務員の種類としては、警察官や自衛官、消防官など、体力に自信のある人向けの職務が中心となっています。
特に自衛隊として国を守る自衛官は、憧れる人の多い仕事です。
スポーツインストラクター
ジムやフィットネスクラブで、ヨガやダンスなどのスポーツ指導を行うのが、インストラクターの仕事です。
学歴も資格も不要で、中卒でも活躍することができます。
体を動かすことが好きな人におすすめの健康的な仕事です。
資格を取得することでキャリアアップを目指すこともできます。
タクシードライバー
タクシードライバーは正社員として安定的に働きたい人に人気の仕事です。
就職の際には自動車の免許が必要となります。
普通自動車第一種運転免許を取得していれば、会社が第二種免許の費用を負担してくれるケースもあります。
歩合制の会社も多く、大卒の同世代よりも収入を増やすことも夢ではありません。
飲食店
飲食店での仕事は、主にホールでの接客業務と、キッチンでの調理業務に分かれます。
ホールであれば、接客マナーを身につけることができ、キッチンであれば料理の腕を上げて手に職をつけることができます。
ゆくゆくは自分の店を持つことも目指せる、夢のある仕事です。
介護
高齢化社会の今、ニーズが高まっているのが介護施設の職員です。
仕事を続けていく中で、国家資格の「介護福祉士」の試験を受けたり、「ケアマネージャー」の試験を受けるなど、努力次第でスキルアップができる需要の高い仕事です。
中卒の方が就職を成功させるコツ
上記のように、中卒でも稼げる仕事がたくさんあることが分かりました。
ただ就職活動の際には、やはり高卒や大卒と比較されて、学歴を理由にうまく行かないというケースも多いです。
中卒が選考をスムーズに進めるためのコツをお伝えします。
高校進学をしなかった理由を明確にしておく
「なぜ高校に進学しなかったのか」という質問は面接で必ず聞かれるため、しっかり答えを準備しましょう。
「何となく」や「つまらなかったから」というようなマイナスな回答をすると、何となく大変だからという理由で会社も辞めるのでは?耐性が弱いのでは?と悪い印象を与えかねません。
高校進学をしないと選択した時の自分の気持ち、家族や友人の反応を具体的に思い返してみましょう。
そして、面接でどんな風に話したら納得してもらえるかを考えてみてください。
例えば「〇〇の経験から、自分には進学より□□な仕事が向いていると思ったから」というように、経験から感じたことを話すと説得力がアップします。
前向きな理由を伝えるようにしましょう。
自分の意見や考え方を固めておく
中卒の人が強みとしてアピールできるのが、若さゆえの柔軟さや体力、発想、やる気です。
どんなことを大事にして仕事に取り組むのか、仕事上の目標など、予想される質問についてはあらかじめ考えを固めておきましょう。
仕事について真剣に考えているという姿勢を見せることで、熱意を示すことができます。
挨拶・マナーなど基礎を心がける
就職をしたら、社会人としてふさわしい礼儀を身につける必要があります。
面接の段階では、はっきりと丁寧に挨拶をし、敬語で話すように心がけましょう。
就活支援サービスを活用する
いざ就職活動を始めてみると、分からないことや不安なことがたくさんあります。
そんな時に頼れるのが、就職活動のプロです。
自分に向いている会社を紹介してくれるだけでなく、エントリーシートや履歴書の書き方や面接の練習などのサービスを無料で受けることができます。
また担当のエージェントに相談しながら就職活動を行うことで、気持ちの面でも楽に選考を進めることができます。
ゼロタレントのように、大学を卒業していない人専門の支援サービスもあるため、自分にあったサービスを探しましょう。
取っておこう!中卒でも稼げる資格4選
就職活動の際に資格を保有しておくと、他の応募者に差をつけられるだけではなく、仕事をする上でも役に立ちます。
ここでは中卒の人におすすめの資格をいくつか紹介します。
宅地建物取引士
通称「宅建」は、不動産関係の仕事で必要となる国家資格です。
主に不動産販売で活用する資格ですが、不動産管理会社や建設会社、金融機関でも不動産を扱う業務でも役立ちます。
不動産取引の際にお客様が知っておくべき重要情報を説明できるのは、この資格を持った人だけです。
また資格を取得していることで、資格手当が支給されるケースもあります。
不動産営業を目指す人は取得しておきましょう。
複数の業界で通用する資格で、就職や転職に有利に働きます。
簿記
経理や事務の仕事を目指す方は、簿記の資格を取得すると良いでしょう。
3級で、経理処理や青色申告書類などの商業簿記の知識が身につきます。
他の人と差をつけたい場合は、2級以上の取得を目指しましょう。
この資格によって財務諸表の知識も身につけることができます。
MOS資格
Word、Excel、PowerPointなどのオフィスツールのスキルを身につけるための資格です。
MOS資格の勉強を行うことで資料や表を作成することができるようになります。
パソコンスキルはどの業界においてももはや必須であるため、MOS資格を取得することでパソコンスキルがあることを企業にアピールできます。
日経TEST
これは、経済知識とビジネス基礎力を診断するテストです。
社会人として幅広い業種で役に立つ知識が身につけられます。
就職活動においては、ビジネスの基礎を理解しているということをアピールできます。
まとめ
中学卒業後に進学せず就職する人の割合は少なく、就職率も大卒・高卒に比べて低い傾向にあります。
しかしながら対策・努力次第では就職を成功させることや高収入を得ることも可能です。
自分に合った会社に就職する方法の一つに、就活のコツの項目でも触れたように、就活支援サービスのエージェントを利用することが挙げられます。
ゼロタレントなどの無料サービスに、まずは気軽に登録してみてはいかがでしょうか。