大学中退でも就職できる!適した仕事の見つけ方と今やるべきこと

就活の基本

さまざまな理由で大学を中退した方の中には、今後のことが決まっていなくて不安だという方も多いのではないでしょうか。大学卒者の就活の場合は周りの人に合わせて活動することになりますが、中退した人の場合は就活の活動時期や方法も大学卒者とは異なります。
自分に合った優良企業に就職するためには何をしたらいいのでしょうか。
今回は、そんな不安を解消するため、他の大学中退者の現状と、就活の進め方を解説します。

目次

大学中退者の現状

まず、大学を中退する人はどれくらいいるのでしょうか。文部科学省が2014年に発表した調査結果「学生の中途退学や休学等の状況について」をもとに見ていきましょう。

大学中退率

全国の大学生が約299万人いるうちで、大学を中退する人は年間約8万人います。これは全体の2.6%程度が中退しているということになりますね。
そして毎年同程度の人数が大学を去ると考えると、4年で10.4%もの人が中退しているという計算です。「意外と多いんだ」という印象を持つのではないでしょうか。

大学中退理由

なぜ大学を中退することに決めたのでしょう。文部科学省の資料によると、中退理由のトップ3は以下の通りです。

  1. 経済的理由(20.4%
  2. 転学(15.4%
  3. 学業不振(14.5%


また、独立行政法人労働政策研究・研修機構も同様の調査を2015年に行なっています。その結果を見ると、中退理由のトップ3は以下の通りです。

  1. 勉強に興味・関心が持てなかったから(51.8%
  2. 単位が不足したから(49%
  3. 経済的に苦しかったから(29.6%

これらの中退理由に境遇が当てはまるものがあるかもしれませんね。同じような境遇でも、就職活動を経て正社員として働く人が多くいます。
しかし、大学を中退すると、在学生が大学のキャリアセンターから得られるような就職活動の知識を得ることができません。
では、大学を中退した人は就職活動をどのように行えばよいのでしょうか。

就活を始める時期


大学を中退した人の進路は大きく分けて、仕事をするか、勉強し直すかの2つにに分かれます。何もプランが無い人もとりあえず仕事をしてお金を稼ごうということになるのでしょうか。
では、いつから就活を始めるべきなのでしょうか。その答えは、今です。早く始めればそれだけ早く仕事に就くことができ、経験も給料もそれだけ多くなります。中退してからの空白期間があると、選考の際に不自然に思われる可能性があるので、不必要に疑われるのは避けたいですよね。大学中退の手続きが完了していなくても、すぐに就活を始めてしまって問題ありません。

仕事の探し方

ではどのような方法で仕事を探すことができるのでしょうか。まずは求人サイトに登録して、どんな求人があるのかなどを見てみると良いでしょう。
ハローワークに行けば、地元企業の求人を見ることができます。ハローワークには無料で求人掲載をすることができるので、就活サイトが有している求人数より幅広い案件をチェックすることができますよ。
また、エージェントを利用すれば、自分に合った求人を紹介してくれるだけでなく、応募書類の作成サポートや面接のアドバイスも受けることができるので、心強いですね。
仕事探しについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

今すぐやるべきこと

就活の際に、とにかくまず自分が受けたい仕事のことを知らなくては、戦略を立て始めることはできません。大学を中退しようかとちらりとでも考え始めた段階から、以下のような調べ物を始めておくと視野が広がって良いでしょう。

業界分析

業界分析を行う目的は、業界の全体像をとらえることです。どのようなビジネスモデルで成り立っていて、どんな商品やサービスを扱っているのか将来性や安定性はあるのかという点も重要です。
これらのことをチェックしておくと、面接の際にスムーズに受けこたえられるだけでなく、面接官に「この人は本気でこの業界に就職したいのだな」と思ってもらえます。

業界分析の手順
  1. 就活サイトなどに記載されている業界の説明を読んで大まかなイメージを持つ。
  2. いくつかの出版社が発行している「業界地図」を読んで各企業の市場シェア率を知る。
  3. ニュースや経済新聞などで業界の最新トレンドをチェックしておく。

企業研究

業界全体のイメージを掴んだところで、自分の志望する企業を詳しく分析していきます。

企業研究の手順
  1. 業界の中での会社の位置付けを把握する。
    業態や規模、資本や対象顧客を、同業他社と比較して業界全体の中での会社のイメージを持ちましょう。
  2. 企業の特徴を掘り下げる。
    企業理念や代表者について、沿革やサービス内容はホームページからすぐに見ることができます。また、上場会社であれば業績も公開しているので、売り上げや利益率を他社と比較してみましょう。過去からの推移を見たり、業績に影響する要因にどのようなものがあるかもチェックすると良いでしょう。
  3. 採用情報のページで社風と求める人材を確認する。
    これは、特に採用試験の際に意識しておくべき内容です。
  4. 就職した際の勤務条件やキャリア形成の環境を確認する。
    自分がその会社で働いているイメージを持ち、会社への理解を深めましょう。

大学中退者が取得しておくべき資格


実は大学を中退した方は最終学歴が高卒になるということは知っていましたか。せっかく受験勉強をして大学に入学したのに、高卒と同じに扱われるのは不本意だと思うかもしれませんね。その場合は、資格を取得してスキルを示すことができます。資格を保有しておくことで応募できる求人も増えますし、応募条件に入っていない会社でも未経験者より知識があるということで評価されますよ。すぐに取得できない資格についてはアルバイトなどをしながら勉強をすることになります。本当に労力をかけるに値する資格なのかどうかは最初に考えておきたいですね。

英語

年々グローバル化が進む社会において、英語は必須スキルとなりつつあります。大学生も英語の資格試験を受けている人は多く、特にTOEICは手軽に受けられて広く認知されているということで人気です。会社によりますが、日系企業の場合は730点以上の点があれば英語で意思疎通はできるということで評価のポイントになります。

簿記検定

さまざまな企業から評価されやすい資格ということで、非常に人気の高く、知名度もある資格が簿記検定です。経理を目指すのであれば2級を取得しておきたいですね。簿記3級であれば短期間でも取得することができるでしょう。

宅地建物取引士

この資格は不動産の売買や、賃貸の仲介をする際に必要な資格です。不動産業界を目指す場合の他に、金融、小売、テナント開発などでも評価されることがあるので、保有しておくと幅広く役に立つ可能性があり、就活の際もアピールポイントになりますよ。

ITエンジニア

ITエンジニア向けの資格も国家資格がたくさんあります。情報系の勉強をしている人はまず基本情報技術者があり、高度なものには応用情報技術者があります。比較的新しい国家資格の情報セキュリティマネジメントや情報セキュリティ系の国家資格最高峰である情報処理安全確保支援士など、自分の目指す分野やレベルに合わせて活用しましょう。

公務員資格

公務員試験は科目数が多く、就職に使う資格の中では難関とされます。資格学校等に通って本格的に勉強する必要がありますが、国家公務員への道が開けるので取得する価値のある資格でしょう。

おわりに


大学を中退した場合、応募できる企業は大卒者に比べて少なくはなりますが、決して優良企業に就職できないというわけではありません。少しでも早く戦略的に、就職活動を始めましょう。

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