大学を途中で辞めた場合、その後の道をどうするのかもう決めているでしょうか。そもそもどんな選択肢があるのでしょう。
まずは正社員になってしっかり稼ぐという方法があります。会社で働くのは性に合わないと考える方は、とりあえずアルバイトでフリーターとして働くかもしれません。あるいは自分でやりたいことが決まっているので起業してしまおうという方もいますし、別の大学で本当に勉強したいことを学び直す方もいます。それから公務員試験を受けるために予備校に通うのも選択肢としてありますね。
今回は、正社員になろうと考える方向けに、これから何をしたらいいかという就活の手順を解説していきます。
目次
大学中退者の扱い
大学を中退すると、最終学歴は高卒になってしまうということは何となく覚悟していたことと思います。では実際、大学中退という学歴は就職活動にどのような影響があるのでしょうか。
大学中退は高卒扱い
最終学歴は、その人の学歴の中で最も高い卒業歴のことを言います。そのため、大学を退学した場合は、その前の卒業歴が高校なので高卒ということになるのです。つまり、就職活動をする際に、大卒以上を応募要件としている会社には基本的に応募することができません。また、新卒の枠ではなく、中途採用での応募ということになります。
- 競う相手は就職経験のある中途採用者。
- 就職活動をする高校生と比較すると、大学中退者は中途半端なイメージを持たれやすい。
コツとしては、面接などでは中退の話題は最初に出しておくことをおすすめします。中退の理由と反省点、そしてそれを今後にどう活かしていくかを話せば、失敗から立ち上がった人としてポジティブな印象を与えることができるでしょう。
初任給・昇給
大学中退者の初任給の扱いは、企業によって微妙に異なります。高卒の水準の給料の場合もありますし、大学中退者のための給与水準がある場合もあります。
厚生労働省の平成30年の調査では、大学卒者の初任給の平均は20.6万円で、高卒者の初任給の平均は16.5万円となります。また、平均月収が最も多くなる50歳から54歳時点での平均月収を比べると、男性の大学卒者は53.5万円、高卒者は35.2万円となるのです。かなり生涯格差が大きいというのが正直な感想なのではないでしょうか。
賃金を上げたい場合は転職を活用していきます。スキルを身につけ実績を積めば、転職市場においては実績重視での給与設定になるからです。
就活スケジュール
では、大学中退者が就職活動で勝ち抜くには、どのように行動すればよいのでしょうか。
就職活動を実際に始めるにあたっての具体的な流れをご説明します。
合同説明会
まずは、就職支援サービスなどが主催する合同説明会に参加してみることをおすすめします。様々な企業が一同に会して説明会や相談会などを行う合同説明会では、幅広い業界の話を気軽に聞くことができます。今まで知らなかった業界や企業との出会いがあるという点が大きな魅力ですね。場合によってはその場で選考が行われる企業もあります。就活する人たちだけが集まるイベントなので、とりあえず行ってみるというだけでも求職者の熱意が感じられて、就活に対するモチベーションが高まりますよ。
募集時期
就活を始めるのに適した時期というのはあるのでしょうか。一般的に、新年度が4月に始まるのに合わせて1月から3月の採用が最も活発だと言われています。4月入社の新卒と同時期に研修を行うこともできるので、未経験の募集も多いです。ただしこの時期は他の人も就職活動を活発に行っています。募集が活発な時期は応募者も増え、競争率が上がって求められる水準も高くなるのです。
そのため、結論としては特に時期にはこだわる必要はありません。すぐに就職活動を行うことをおすすめします。
今やるべきこと
いずれは正社員として就職活動をするつもりだけれども、様々な理由ですぐに応募は始められないという方もいますよね。そんな方でも今から始めておいて欲しいことがあります。
自己分析
今後の人生を決める上で、企業選びは大きな決断です。就職する企業とのミスマッチを防ぐために、まずは自分がどんな人間なのかを自分で理解しておいてください。
- 自己分析ツールやエージェントの力を借りる。
- 自分のこれまでの人生を振り返る。
- 自分の強みや弱みを洗い出す。
- これから何を大切にしてどんな人生を送っていきたいのか、自分がどんな仕事に向いているのかを考える。
- 周りの人にも意見を聞く。(他己分析)
実際に選考が進むとどの企業も魅力的に見えてきて、自分が何をしたいのかわからなくなります。その前に自分の仕事選びの軸を固めておくために、何度でもゆっくり自分を見つめ直してください。
業界・企業研究
自己分析の次は、興味がある業界や企業についての理解を深めていきます。まずは広く業界全体について俯瞰していきましょう。
業界地図やインターネット上での業界説明、ニュースなどを読んで、業界のビジネスモデルや市場シェア、最新トレンドを確認しておきます。その上で気になる企業のホームページを隅々まで読み込んで、会社の特徴をつかんだり、どのような人材が求められているかというイメージを持ちます。
ただし、企業が公に発信している情報は良い面だけが記載してあるという点には注意してください。もし可能であれば、OB・OG訪問サービスに登録して実際にその企業で働く人に話を聞きましょう。
仕事の探し方
全国385万社もある会社の中から自分にぴったりの会社を見つけ出すというのは、そんなに簡単な作業ではありませんよね。どのように応募企業を絞り込んでいけばいいのでしょうか。
就活サイト
まず登録すべきは就活サイトです。大企業を中心に多くの掲載があり、様々な条件で絞り込むことができます。
求職中の方は、1つだけの転職サイトで仕事を探しがちですが、複数のサイトに登録するようにしてください。サイトによって掲載企業が異なるので、複数のサイトに登録することで自分に合った企業を見逃すことが無くなります。
就活エージェント
また、就活エージェントも心強い味方になってくれるので、いくつか利用してみてください。就活エージェントにもいくつか種類があり、幅広い案件を有した業界大手のエージェントと、大学中退者など大卒以外の就活ノウハウを有したエージェントがあります。
- 求職者は無料でサービスを受けることができる。
- 面談を通して自分に合った企業を紹介してもらえる。
- 企業への連絡や面接のスケジュール調整はエージェントが行ってくれる。
- 書類作成のアドバイスがもらえる。
- 模擬面接を通して選考の対策をすることができる。
面接が終わって伝えきれなかったと悔やむ部分があった時など、エージェントから企業にプッシュしてくれたりもします。就活エージェントを活用することで、就職活動をかなり効率的に進めることができます。
ハローワーク
「仕事探しに困ったらハローワークを利用する」というイメージが強いですが、そもそもハローワークとはどういったものなのかご説明します。
民間の職業紹介事業等では就職へ結びつけることが難しい就職困難者を中心に支援する最後のセーフティネットとしての役割を担っています。また、地域の総合的雇用サービス機関として、職業紹介、雇用保険、雇用対策などの業務を一体的に実施しています。(引用:厚生労働省)
ハローワークは国が運営する機関のため、膨大な求人情報を保有しています。就活サイトや就活エージェントと違って、ハローワークは企業から掲載料を取っていません。そのため他のサービスでは掲載されていないような求人が見つかります。
- 地元企業の求人が中心。通勤もしやすく選考の倍率も大企業より低いことが多い。
- 国の機関のため、信頼できる。
- インターネットサービスもある。
- 職業訓練で学べる。(パソコンスキル、介護、ネイルアート)
おわりに
大学を中退してからの就活のイメージが湧いたでしょうか。大学中退は学歴や収入面で不利になったり、マイナスイメージを持たれやすかったりもしますが、大学に縛られずに自分のやりたいことを自由にやることができるということでもあります。将来に色々な可能性があるので、落ち着いてこれからのことを考えてください。