契約社員は副業できるのか、疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、法律上、契約社員が副業することは可能です。
本業がおろそかにならなければ、労働時間外の活動は基本的に自由です。
この記事では、契約社員が副業を始める際の法律上のルール、会社にバレないための具体的な対策、年間所得20万円以下の場合でも注意が必要な確定申告のポイント、そして初心者におすすめの副業を解説します。
目次
契約社員の副業は原則OK!法律上のルールを解説
契約社員が副業をすることは、法律で禁止されておらず、原則として認められています。
勤務時間外のプライベートな時間をどのように使うかは個人の自由であり、会社がそれを不当に制限することはできません。
ただし、会社の就業規則で副業に関する規定が設けられている場合があるため、事前に確認することが重要です。
ここでは、契約社員の副業がなぜOKなのか、その法的根拠とは何かを詳しく解説します。
副業が法律で禁止されていない根拠
日本国憲法第22条では「職業選択の自由」が保障されており、これが副業を法的に禁止できない大きな根拠となっています。
企業に雇用されている労働者であっても、勤務時間外の活動まで会社が全面的に拘束することはできません。
過去の裁判例でも、労働者の副業を全面的に禁止することは無効とされる傾向にあります。
したがって、本業の就業時間外に行う副業については、原則として自由に行うことが可能です。
会社の就業規則で禁止されている場合の効力
会社の就業規則で副業が禁止されている場合でも、その規定が常に法的な効力を持つとは限りません。
ただし、副業によって本業に支障が出る場合や、会社の利益を害する場合には、就業規則による禁止が有効と判断されることがあります。
具体的には、副業による遅刻や欠勤が続く、競合他社で働く、会社の機密情報を漏洩するといったケースです。
このような場合、懲戒処分の対象となる可能性があるため、就業規則の内容は必ず確認しておく必要があります。
会社が契約社員の副業を快く思わない主な理由
会社が副業を快く思わない背景には、いくつかの理由があります。
まず、副業による長時間労働が、本業のパフォーマンス低下や健康問題につながることを懸念しています。
また、同業他社で副業を行うことによる情報漏洩のリスクや、会社の社会的信用を損なう行為への警戒も理由の一つです。
特に契約社員の場合、有期雇用という特性上、正社員と同様の忠実義務をどこまで求めるかの判断が難しい側面もありますが、本業への支障を懸念する点は共通しています。
契約社員が副業を始める前に知っておきたいメリット
契約社員が副業やダブルワークを始めることには、収入増加以外にも多くのメリットがあります。
将来のキャリア形成や、有期雇用契約という働き方に対するリスクヘッジにもつながります。
本業だけでは得られないスキルや人脈を築く機会にもなり、自身の市場価値を高めることが可能です。
ここでは、副業を始めることで得られる具体的なメリットを3つの側面から解説します。
収入源が増えて経済的な安定につながる
副業を持つ最大のメリットは、収入源が複数になることによる経済的な安定です。
本業の給与だけでは生活に余裕がない場合や、将来のために貯蓄を増やしたい場合に、副業収入が大きな助けとなります。
また、本業の収入が不安定な時期でも、もう一つの収入源があることで精神的な安心感を得られます。
収入の柱を増やすことは、生活の質を向上させるだけでなく、万が一の事態に備えるための有効な手段です。
新しいスキルが身につきキャリアの選択肢が広がる
副業は、本業とは異なる分野に挑戦し、新しいスキルを習得する絶好の機会です。
例えば、事務職の人がWebデザインやライティングの副業を始めれば、クリエイティブなスキルが身につきます。
これらのスキルは、将来の転職やキャリアチェンジの際に強力な武器となり、キャリアの選択肢を大きく広げます。
未経験の分野に挑戦することで、自身の新たな適性や興味を発見するきっかけにもなります。
契約満了後のリスクヘッジになる
契約社員は有期雇用契約であるため、契約が更新されない「雇い止め」のリスクが常に伴います。
副業で安定した収入源を確保したり、専門的なスキルを身につけておいたりすることは、契約満了後のリスクヘッジとして非常に有効です。
副業を通じて、無期雇用への転換や正社員登用以外の選択肢として、フリーランスとしての独立や起業も視野に入れることができます。
有期という働き方の不安定さを補うための重要な備えとなります。
契約社員が副業で注意すべきデメリット
副業には多くのメリットがある一方で、デメリットや注意点も存在します。
特に、本業との両立においては、時間管理や体調管理が大きな課題となります。
副業を始める前にこれらのデメリットを理解し、対策を考えておくことで、無理なく継続することが可能になります。
ここでは、副業を始める際に直面しやすい主なデメリットを2点挙げ、その対策について考えます。
労働時間が長くなり体調管理が難しくなる
副業を行うと、当然ながらプライベートな時間が減り、総労働時間が増加します。
本業の後に副業の時間を確保する必要があるため、睡眠時間を削ったり、休日を返上したりすることになりがちです。
これにより、疲労が蓄積し、体調を崩しやすくなる可能性があります。
体調不良は本業のパフォーマンスにも悪影響を及ぼすため、無理のない範囲で副業のスケジュールを組み、意識的に休息を取ることが重要です。
本業と副業のスケジュール調整に手間がかかる
本業の繁忙期や急な残業と、副業の納期が重なってしまうと、スケジュール調整が非常に難しくなります。
両方の仕事で高いパフォーマンスを維持するためには、計画的なタスク管理が不可欠です。
特に納期のある副業では、自己管理能力が問われます。
スケジュール管理ツールを活用したり、あらかじめ本業の繁閑を予測して副業の受注量を調整したりするなど、両立させるための工夫が求められます。
会社に副業がバレてしまう主な原因とは?
就業規則で副業が禁止されている場合、会社にバレることは避けたいと考えるのが自然です。
副業が発覚するケースには、いくつかの典型的なパターンがあります。
その原因を知り、事前に対策を講じることで、発覚のリスクを大幅に減らすことが可能です。
ここでは、副業がバレる主な原因として、税金の手続きと日常の行動に焦点を当てて解説します。
原因①:住民税の通知書から発覚するケース
副業が発覚する最も一般的な原因が住民税です。
会社員の場合、住民税は給与から天引きされる「特別徴収」が基本です。
副業で収入が増えると、その分住民税額も増加します。
市役所から会社に送付される住民税の決定通知書には、本来の給与に対する税額よりも多い金額が記載されるため、経理担当者が不審に思い、副業が発覚する可能性があります。
この税金の仕組みが、意図せず副業を会社に知らせてしまう主なルートです。
原因②:社内でのうっかりした会話やSNS投稿
確定申告などの手続きで対策をしていても、自分自身の言動が原因で副業が発覚するケースは少なくありません。
例えば、同僚との雑談の中でうっかり副業の話をしてしまったり、副業で得た収入で高価な買い物をしたことを自慢したりすると、噂が広まってしまう可能性があります。
また、実名や顔写真を出しているSNSアカウントで副業に関する投稿をすると、会社の人が偶然見つけてしまい、そこから発覚することもあります。
契約社員が会社に内緒で副業を続けるための4つの対策
会社に副業を知られずに続けるためには、事前の対策が重要です。
住民税の納税方法を変更する手続きや、日頃の行動に気をつけることで、発覚のリスクを最小限に抑えることができます。
ここでは、会社に副業を知られないための具体的な4つの対策を紹介します。
これらの対策を徹底し、安心して副業に取り組める環境を整えましょう。
なお、副業を許可制にしている会社では、正直に申請することも一つの選択肢です。
対策①:確定申告時に住民税を「普通徴収」で納付する
住民税からの発覚を防ぐ最も効果的な方法は、確定申告の際に住民税の納付方法を「普通徴収」にすることです。
確定申告書の第二表、「住民税に関する事項」の欄にある「自分で納付」にチェックを入れると、副業分の住民税の納付書が自宅に届き、自分で納付できます。
これにより、会社には本業の給与に対する住民税額のみが通知されるため、副業収入による税額のズレが生じず、発覚を防ぐことができます。
対策②:本業のパフォーマンスを落とさない
副業に熱中するあまり、本業で遅刻や欠勤が増えたり、業務中の集中力が散漫になったりすると、上司や同僚に不審に思われる原因になります。
会社が副業を問題視するのは、本業への支障が出た場合がほとんどです。
常に本業を最優先に考え、これまで通りの、あるいはそれ以上のパフォーマンスを維持するよう心がけることが、トラブルを避ける上で非常に重要です。
体調管理とスケジュール管理を徹底しましょう。
対策③:会社の同僚には副業の話をしない
どれだけ信頼している同僚であっても、副業の話をするのは避けるべきです。
悪意がなくても、話がどこからか漏れてしまう可能性はゼロではありません。
飲み会の席など、気が緩んだ場面でつい口を滑らせてしまうことも考えられます。
自らリスクを増やすような言動は控え、副業については社内では一切口外しないというルールを徹底することが、身を守るための賢明な判断です。
対策④:副業に関連するSNSでの発信に注意する
SNSでの発信は、身元が特定されるリスクが常に伴います。
本名や顔写真を使っていなくても、投稿内容や交友関係から個人が特定されるケースは珍しくありません。
副業用の匿名アカウントであっても、本業の会社関係者とつながる可能性がある場合は注意が必要です。
副業に関する情報発信は、身バレのリスクを十分に理解した上で、個人が特定されないよう細心の注意を払って行う必要があります。
【初心者向け】契約社員でも始めやすいおすすめ副業5選
副業を始めたいと思っても、どのような仕事があるのか分からない方も多いでしょう。
契約社員の場合、本業とのバランスを考え、スキマ時間で取り組めるものや、特別なスキルがなくても始められるものが人気です。
ここでは、未経験からでも挑戦しやすく、自分のペースで進められるおすすめの副業を5つ紹介します。
自分の興味やライフスタイルに合った副業を見つける参考にしてください。
スキマ時間で稼げるアンケートモニターやポイ活
アンケートモニターやポイ活は、スマートフォン一つで通勤中や休憩時間などのスキマ時間に取り組める手軽な副業です。
専用のサイトやアプリに登録し、アンケートに回答したり、指定されたサービスを利用したりすることでポイントを貯め、現金や電子マネーに交換します。
大きな金額を稼ぐのは難しいですが、特別なスキルは不要で、お小遣い稼ぎとして始めるには最適です。
短期のバイト感覚で手軽に始められます。
未経験から挑戦できるWebライター
Webライターは、企業のウェブサイトに掲載される記事やブログなどを執筆する仕事です。
パソコンとインターネット環境があれば誰でも始められ、未経験者向けの案件も豊富にあります。
最初は文字単価が低い案件からスタートすることになりますが、実績を積んで文章力や専門性を高めることで、高単価の案件を受注できるようになります。
自分の知識や経験を活かせる分野で執筆すれば、楽しみながら収入を得ることが可能です。
コツコツ作業が得意な人向けのデータ入力
データ入力は、指定された情報をパソコンで正確に入力していく作業です。
特別なスキルは必要なく、タイピングの正確さや速さに自信がある方、地道な作業を黙々とこなすのが得意な方に向いています。
在宅でできる案件が多く、自分のペースで仕事を進めやすいのがメリットです。
単純作業が中心ですが、企業によっては機密情報を扱うこともあるため、責任感を持って取り組む必要があります。
スキルを活かせるWebデザインや動画編集
Webデザインや動画編集のスキルを持っているなら、それを活かして副業で高収入を目指すことが可能です。
近年、企業のウェブサイト制作やYouTubeチャンネルの運営代行などの需要が高まっており、クラウドソーシングサイトには多くの案件が掲載されています。
本業で培ったスキルを活かせるだけでなく、副業での実績がさらなるキャリアアップにつながる可能性もあります。
未経験からでも、オンラインスクールなどで学習して挑戦する人も増えています。
自宅で手軽に始められるフリマアプリでの物販
フリマアプリを使った物販は、自宅にある不用品を販売することから手軽に始められる副業です。
梱包や発送の手間はかかりますが、初期費用をほとんどかけずに始めることができます。
慣れてきたら、安く仕入れた商品を販売する「せどり」に挑戦して収益を上げることも可能です。
アルバイトのように決まった時間に働く必要がなく、自分の好きなタイミングで作業できるため、本業が忙しい人でも続けやすいでしょう。
副業収入の確定申告で押さえておくべきポイント
副業で収入を得た場合、税金の手続きである確定申告が必要になることがあります。
特に会社員や契約社員などのサラリーマンは、会社が年末調整を行ってくれるため、確定申告に馴染みがない方も多いかもしれません。
しかし、副業の所得によっては、個人事業主として自身で申告と納税を行う義務が生じます。
ここでは、確定申告で押さえておくべき基本的なポイントを解説します。
副業の所得が年間20万円を超えたら確定申告が必要
副業による年間の所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要です。
ここで言う所得とは、副業で得た収入から経費を差し引いた金額のことです。
例えば、Webライターの収入が年間25万円で、経費(通信費や書籍代など)が3万円だった場合、所得は22万円となり確定申告が必要になります。
会社員は年末調整で本業の納税が完了していますが、副業で得た所得については別途申告しなければなりません。
20万円以下でも住民税の申告は原則必要なので注意
副業所得が年間20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要になる点に注意が必要です。
所得税の「20万円ルール」は、あくまで所得税に関する特例です。
住民税にはこのルールが適用されないため、所得の金額にかかわらず、原則としてお住まいの市区町村役場に申告する義務があります。
確定申告を行えば住民税の申告も兼ねることができるため、手間を省くために所得20万円以下でも確定申告をする人もいます。
節税効果が期待できる青色申告のやり方
副業を事業として本格的に行う場合、青色申告を選択することで大きな節税効果が期待できます。
青色申告を行うと、最大65万円の特別控除を受けられるほか、赤字を翌年以降に繰り越せるなどのメリットがあります。
青色申告を行うためには、事前に税務署へ「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
複式簿記での記帳が必要になりますが、会計ソフトを使えば比較的簡単に対応できます。
契約社員 副業に関するよくある質問
ここでは、契約社員の副業に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で回答します。
雇い止めのリスクや、副業禁止の会社での対応策など、具体的な悩みを解消するための参考にしてください。
副業が会社にバレたらクビ(雇い止め)になりますか?
直ちにクビ(解雇)や雇い止めになる可能性は低いです。
ただし、副業が原因で本業に支障が出たり、会社の信用を損なったりした場合は、就業規則に基づき懲戒処分の対象となります。
その結果、次回の契約更新がされない可能性はあります。
まずは会社の就業規則を確認し、本業に影響が出ない範囲で行うことが重要です。
副業禁止の会社ですが、どうしてもやりたい場合はどうすれば良いですか?
まず就業規則を確認し、どのような副業が、なぜ禁止されているのかを理解することが第一歩です。
本業への支障がなく、競合他社での労働や情報漏洩のリスクがない副業であれば、会社に事情を説明し、許可を求めるという選択肢もあります。
無断で行うリスクを考えれば、誠実に相談する方が賢明な場合があります。
パソコンが苦手でもスマホだけでできる副業はありますか?
はい、あります。
アンケートモニターやポイントサイト(ポイ活)、レシート買い取りアプリなどは、スマートフォンだけで完結できます。
また、フリマアプリでの不用品販売や、写真素材の販売、簡単なSNSの運用代行などもスマホで対応可能です。
特別なスキルがなくても、スキマ時間を使って手軽に始められる仕事は多くあります。
まとめ
契約社員が副業を行うことは法律上認められていますが、会社の就業規則を確認し、本業に支障をきたさないように配慮することが不可欠です。
副業が会社に発覚する主な原因は住民税の通知であるため、確定申告時に「普通徴収」を選択する対策が有効です。
また、副業で年間20万円を超える所得を得た場合は確定申告が必要となり、20万円以下でも住民税の申告は原則必要です。
これらのルールと注意点を守り、計画的に取り組むことが重要です。

